[まえがき]
ファッションブランドに常に付きまとう「ダサい」という表現。
検索を掛けるとすぐに、[○○ ダサい]という言葉が出てきたりしませんか?
欲しい服や気になるブランドを発見した時に、たとえ自分の感性で善となった物でも、やはり周りの評判というのは気になりますよね。
例えそれが、個々人の感性にゆだられるものであり、総評的な意見など存在しないと分かっていても。
そういった方のために、アパレル店員としてある程度の経験を私から一つの解決策を提示したいと思います。
皆さんこんにちは!
タイトルで理解していると思うので、単刀直入に今回のテーマをお伝えします。
【SHAREEFはダサいのか?】
デザイナー下村仁が手掛ける「SHAREEF」。
ファッションを通じ「喜び」「楽しさ」を感じて欲しいというコンセプトを、ハイクオリティな品質や、独創的なデザイン・イラストを用いて体現する、東京のファッションブランドです。
「新たな世界への扉を開きたい」
そんな願いのもとに、SHAREEFという存在に手を伸ばした方。あるいはこれから出会いを始めたい方に向けて、今回はメッセージを発信していきたいと思います。
【SHAREEF(シャリーフ)】はダサい?
https://shareef-tokyo.com/
これに対する回答は、はっきりとNOといわせていただき…たいのですが
そもそも「ダサい」という言葉の定義は恐ろしいほどに曖昧なもので、定義が確立していない以上は否定も肯定も出来ないというのが正直なところです。
なので今回私は、「SHAREEFはとてもオシャレなブランド!」と自信満に魅力を語るのではなく、あくまでも、ダサいと思われがちな点について紐解くことでフラットな状態に持っていくことを目標としたいと思います。
NOとは言えないが、だからといってYESにもならないことを証明しようといった感じです。
そのうえで改めて、SHAREEFというブランドが皆さんにどう映るかを考えてみてください。
【SHAREEF】デザイン・イラスト
まずは、入り口の時点で個々人の取捨がとわれる、デザインやイラストについてです。
SHAREEFのアイテムは、それが事態がブランドにとって最大の武器になってしまうほどの独創的で個性的なデザインやイラスト、プリントがあしらわれています。
アイコニックモチーフになっているリンゴやバーコードデザインを始め、どのアイテムもデザイナーが想像する世界観を前面に押し出した、個性的なものになっています。
しかし
当然、そういった個性が強く表れれば現れる程、周りからの評価は分断されていきますよね。
これはアパレルに限った話ではなく、世の中の常といってもいいかもしれません。
イラスト・デザインの解決方法
ここに関しては完全に好き嫌いの分野になってしまい、全員が納得できる回答を用意することは不可能ですし、そもそもそんな都合の良い答えなど初めから存在し得ません。
なのでここでは、独創的なデザインの背景を確かめてもらうことにします。
ブランドの存在を、外からだけでなく内側から理解することで、見方が変わってくるかもしれません。
⇩詳しくは下記の生地のを読んでいただければと思います⇩
ただ単に、ありのままの姿を受け取るのではなく、その背景やルーツを見直すことで価値観が180°変わることはよくあることです。そういった楽しみ方も、私はファッションの一部だと思います。
【SHAREEF】のスタイリング
https://shareef-tokyo.com/
SHAREEFのアイテムは総じて、通常であれば相性が良いはずのアイテムであっても、イメージ通りのコーデが組めないことがあります。
これによって、
「SHAREEFのアイテムを使っている人は、なんだかダサい気がする」
というような意見が発生するケースもあり得ます。
私も実際に何着かアパレルを所持しているのですが、納得のいくコーデをくみ上げるのには時間がかかりました。
実際に私が悩んだ点として挙げられるのが
・生地感
・サイズ感
この2つです。
特殊な生地感
SHAREEFのアイテムには、化学繊維を始めとした特殊な素材・生地を使用しているものが多いです。
これによって生まれる特殊な生地感は、パンツやシューズとの調和に僅かなズレを生みます。
【パンツとの相性】
こちらは、私が実際に購入した20SSアイテムのスイッチTシャツになります。肘が隠れるサイズ感と、白黒のモダンなテイストから、スラックス等を用いた、モノトーンでモーディーな雰囲気のスタイリングを想定していました。
しかし実際に手に取ってみると、ポリエステル素材特有の艶と光沢があり、スポーツウエアのような生地感に近かったです。
軽やかでさらりとした生地感は爽やかさを演出し、思ったほどの重厚感がありませんでした。(決して悪い意味ではありません)
そのため、スラックスやトラウザーとあまりマッチしなかったのです。
・同系統の生地感のものは生地被りに繋がる
・起毛感のあるヘヴィーなもだと雰囲気がマッチしない
ならばシンプルにストリートテイストなスタイリングを組もうと、スキニーやジーンズなどのカジュアルボトムスを引っ張り出してきたのですが、これもあまりうまくいきませんでした。(詳しくは事項にて)
その他にも
【シューズとの相性】
特殊な生地感によって生まれるコーデの制約は、足元を飾るシューズにも影響を及ぼします。
基本的にSHAREEFのトップスアイテムは、スニーカーとの相性が良くありません。
先程説明した、カジュアルな生地感のトップスとスニーカーを組み合わせると、全体的に締まりのないスタイルになってしまいます。
もちろんアイテムやボトムスとの合わせによって変わってきますが、やはりラフさが目立ち、SHAREEFらしさが出せません。写真のようなスタイリングだと違和感が無いように思えますが、これはモデルさんのきりっとした顔立ちあってこそだとも感じますね。頭で想像することは容易ですが思いますが、実物を見ると「なんか違う」と感じてしまうのです。
であれば、レザーシューズ等の品のあるアテムを用いるのが正解と分かったのですが、ここでも落とし穴が。フォーマルイメージの強い革靴は、SHAREEF特有のフリーダムで遊び心あふれるデザイン・イラストを消してしまいかねません。同じく、程よい遊び心があり、カジュアル・フォーマルの属性に分類されない独自のヴィジュアルを持った革靴が必要になります。
また、革靴と合わせやすいパンツというとさらに候補が絞られて行きます。
スキニーやジーンズと組み合わせようとすると足元のロールアップなどの工夫が必要になりますが、コーデのテイストが変わりSHAREEFのイメージとずれてしまうケースが多いです。
一般的なシューズやパンツとの相性が良くないことが、ダサ見えに繋がります。
サイズ感
基本的にアパレルアイテムはサイズ感がかなり大きめで、半袖の袖丈は30~40を超える程。
肘はすっぽりと隠れてしまい、七分丈のようにも見えます。
この程度の袖丈であればさほど珍しくもなく、むしろ日本のファッションにおいては、むしろトレンディーなサイズ感。
しかし問題なのが、袖丈・肩幅の割に身幅・着丈はそこまでオーバーでないという点にあります
袖が長すぎるがゆえに、シルエットのコントロールが難しくなってしまいます。YラインやIラインを作ろうと思っても、重心が上がってしまい、細長く弱々しい印象になってしまうのです。小柄な体系の方が多い日本人は、ビッグシルエットのトップスで体を隠し、重心を下げることでこの問題を解決しています。
特殊なサイズ感ゆえのシルエットの造り難さもまた、スタイリングが上手くいかない原因です。
スタイリングの解決策
では、SHAREEFのアイテムを日常的にコーデに用いるのは不可能なのか?
勿論そんなことはございません。
確かに一般的な感性ではその世界観をコントロールするのは難しいですが、
癖や使用感を理解できれば、次第に応用が利くようになってきます。
おススメのコーデ(モード・韓国風スタイル)
SHAREEFの持つ世界観を存分に発揮でき、なおかつ現代の日本のトレンドにもマッチするモード・韓国風のコーデの紹介。統一感を持たせたダークな雰囲気、奇抜なイラスト・デザインをさらに強調する小物使い、エレガントさ。個性とこだわりが詰まったスタイリングで、ブランドの世界観を存分に感じましょう。
SHAREEFの定番スウェッ」を使用したスタイリングです。リブ周りのサイズ感をを生かすため、シャツをインナーに用い、“横のボリューム”を演出。生地感と上下のサイズ感にメリハリをつけることで、ビッグスウェットのアンニュイなイメージを払拭し、全体にキレをもたらします。足元には艶感のあるローファーをチョイスし、モードスタイルならではの高級感も忘れてはいけません。
SHAREEFのアイコニックなモチーフである“リンゴ”のイラストをあしらったポリエステルTシャツのスタイリングです。写真のコーデは、先ほどお伝えした・サイズ感、・生地感を上手くコントロールしています。丈をパンツインし、袖丈と合わせることですっきりとまとまったシルエットに。また、ウェッティな質感のスキニーと合わせることで、生地感のミスマッチも解消できます。
SHAREEFのおススメコーデアイテム
【SELECT Bottoms】
-mnml ジップカーゴパンツ-
https://item.rakuten.co.jp/battleline/mnml-42/より
ナイロン特有の光沢が生地感のミスマッチを防ぎ、サイドのスナップボタンやウエストのロングストラップが遊び心をくすぐるmnmlのカーゴパンツ。足元にスニーカーをチョイスしたいときはかなりおススメの一本です。
⇩購入はこちら⇩
-minsobi 切りっぱなしスキニー-
モードミリタリーテイストアイテムが揃うminsobiからは、裾を切りっぱなし加工したスキニーパンツをご紹介。程よいハリ感の生地もさることながら、フレア気味の裾は革靴と合わせる際に非常に重宝します。
⇩購入はこちら⇩
【SELECT Shoes】
-Dr.Marten 1460 8Eye-
パンツと革靴を合わせるのが難しいと感じる方は、マーチンの8ホールがおススメです。裾の処理が簡単になり、自然とボリュームが出るのでIラインのシルエットが作りやすくなります。SHAREEFのアイテムを使いたいが、パンツのチョイスに悩んでいるという方は、まず初めにおすすめします。
-Dr.Marten FULMAR-
パンク・ロックの面影を残したベルトデザインと、光沢のある生地感。遊び心やインパクトのあるディティールは、SHAREEFのコーデには欠かせない存在です。
まとめ
今回はSHAREEFというブランドに付きまとう「ダサいか否か」という問題について、私なりに言及させていただきました。一つの事象・物事を判断する際、回答がまとまることは残念ながらありません。しかし、提起された問題にかかわったのであれば、自身の導いた答えの是非に問わず、中身を細分化して判断する必要があります。
コメント